ー ちょっと見て読み物語 ー
・人通りのない街角・・
女「・・そう、私、行こうと思うの」相手・声「パリか、まずいんじゃないか?」女「でも、別の用事もあるし」相手・声
「そうか、まあ、タイミングは見たほうがいいからな、連絡待ちだろ、この回線は外れてるから問題ないが・・じゃあ
、その前にニューヨークへ行ってくれないか、チェットに会ってほしんだ」女「わかったわ」女は電話ボックスからでると
闇の中へ消えていった。
女の指、動きが止まり・・
ノーパソ横の紙コップを手に、一口飲む。再び打ち込まれる文字。影の声「この女の名はエヴァ、年齢職業不詳。人は
ダンサー?いや、やりてのディーラーとか言うがその正体を知る者は誰もいない」
・LA 空港(夕暮れ)
ステージではピアノトリオが演奏している・・
ウイスキーグラスを手に一口飲むエヴァ。そこへダークスーツの男がグラスを手に現れる。男はグラスをテーブルに置くと
エヴァの斜め前に座る。エヴァ「元気そうねチェット、今日は吹くの?」チェット「その名前で呼んでくれる女性はもう
君だけになっちまったよ」エヴァ「あなたの演奏、楽しみに来たのよ」チェット「ありがとう」2人はしばらくステージ
の演奏に耳を傾けている。チェット「ところで、パリではコンタクトは?」エヴァ「そうね、向こうから来ればだけど、
ICPO(国際刑事警察機構)は今回はあてにならないから」チェット「うん、こっちの中央(CIA)はそこは承知してる、
チャイナから北のルートだからね」エヴァ「そっちは進んでるの?」チェット「そうだね、ISS(国際宇宙ステーション)
からの情報とSCが連携して、今回のミッションは重要視しているからね」エヴァ「えっ?SCってそれ」チェット「ああ、
スペースコマンドから一人送り込みたいってさ」エヴァ「そんな話聞いてないけど、変ね何を考えてるの?まさか、10
年前のこと上はわかってるの?私は反対して、行方不明になってるのよTRANSCENDには入れないのよ、絶対!」
チェット「・・その件についてはこれにあるから」とグラスをずらし、指でグラス下のコースターを少し動かす。
チェット「じゃ」と自分のグラスを手にすると席を立ち、ステージ脇のバックヤードへ入っていった。エヴァは自分の
グラスをさりげなくコースターの上に置く。ステージのピアノソロが終わり、しばらくするとステージ脇からトランペット
を手にしたチェットがステージ上に登場する。スタンドマイク前に立ったチェット、ピアノの音が静かに流れ、それに
ドラムのブラッシング、ウッドペースのリズムが重なる。チェットのトランペットの音がクールなバラードを奏でていく
。それをジッと観ているエヴァ、手元のグラスが僅かに傾く・・
・老人の楽しみは・・
老人の楽しみはジタンのタバコ一本と一杯のウイスキー、手にしたグラスを静かに揺らしタバコの煙を燻らせる。
アンドレ(声)「こんなもんさ、人生なんて、ああそれで十分さ」彼には若い時結婚した美しい妻がいた、ファッション
モデルとして活躍していた妻、そして一人娘、幸せな日々・・
・アンドレの声・・
・美しい妻は・・
-NY- ホテルの一室
テーブルに置かれたノートパソコン、その前に座っているエヴァ。チェットから受け取ったコースターを手にするとその
裏側を剥がし、中に仕込まれたメモリーチップを取り出す。それをカードリーダーにセットしデーターを立ち上げる。
パスワードを打ち込むと画面に様々な情報が開いていく、再びパスを打ち込むとそこに軍服姿の男、ブルース少尉の写真
とプロフィールが映る、じっと画面を見ているエヴァ、そこに携帯電話のバイブレーションが響く「ブルブルル・・」
電話に出るエヴァ「・・はい、・・ええ今見てます、はいええ、しかしそれは前にも、はい・・わかりました」神妙な表情
でノーパソの画面を見ながら相手と話すエヴァ。
・書類を読んでいる
書類を読んでいる外務省特務機関の佐々木(27歳)に声をかける外事警察の岩瀬(43歳)「その後どうだ?」パソコン
画面をスクロールしながら、佐々木「チェンマイから入ることになりそうです」岩瀬「・・チェンマイでは誰とコンタクト
とるのか・・」佐々木「ええ、サクチャイです」岩瀬「するとそうとう潜るな」佐々木「山岳で奥深いジャングルです」
岩瀬「コードネームは?」佐々木はパソコン画面をさらに変えてその中の文字を示す”TRANSCEND”。
・佐々木「今回は・・
佐々木「今回は特別処置法の範囲外ですが、岩瀬さんの外事では彼のことは?」岩瀬「ああ、わからない、ただ皇室
護衛官騎馬隊出身ってことぐらいだ」佐々木「こちらの特務でもまったく掴めないです・・」岩瀬(少し笑み)「そう
だろう、大魔神さ」佐々木「えっ?大魔神?」岩瀬「ああ、怒らせると恐ろしい」佐々木「神出鬼没、ですか、なるほど
連絡はまともにできない、一方通行TPだけです・・」岩瀬「そっちの特務はどうだ?」佐々木「チェンマイですから、
タイのロイヤルへこちらの大使が会いに行くことになるかと、TRANSCENDとなれば一切入れません限界です」
岩瀬「うむ、すると?」佐々木「こちらの動き、大魔神ですか・・」ニヤリとする岩瀬、佐々木「今頃、裏と接触して
るところかと・・」
・そこへ黒の
-倉庫内-
-倉庫内- うず高く積まれた荷物類。その片隅、薄暗い空間にテーブルが一つ。椅子に座っている初老の男、黒い コートの襟を立てノペっとした顔を突き出し(上目ずかいに)「・・まだ確かなことは解ってないんだがね」 武藤の声「そんなことは無い筈だ、ルートは?、わかってると思うが、そっちのアンカーには一切触れない・・」 初老の男(鋭い視線)「・・」後ろに立っている者がIpadを差し出す、初老の男がそれを見て「?・・サクチャイ」 武藤から顔を背けるように「ポイントは2ヶ所、しかし出荷場所までは・・」とIpadの画面を見せる。 武藤(Ipadを見ながら)「あんたの国、出身はどこだい?・・美しいじゃないか、あんたが育った村、両親は健在かい?」初老の男「・・」武藤「・・あんたたちのボスは何をしているか、あんたの故郷、美しい山河が汚染され 破壊される、もう時間の猶予は無い、一言いっておく離れろ」
-空軍SC(スペースコマンド)作戦会議室-
・巨大なモニターにマルチ画面。その前に長いテーブル。席には制服、背広組み又カジュアルな服装の者たちが座っている
。大佐「我々SCが撮らえた画像の解析から重要ポイントは把握しているが、正確ではない」背広の男「情報から予測
するとアジアコネクションの工場とおもわれます、そしてそれは北へ繋がっている」大佐「・・しかし問題はそこでは
ない、それを利用したバイオ化学兵器の製造だ、正確な情報が必要だ」そこへ遅れてきたエヴァが席につく。エヴァの
視線がカジュアル姿のチェットを見る。そして制服組の中にブルース少尉の姿、どこか一点を見つめて微動だにしない。
会議室では情報の確認と作戦の説明が続く・・
-大佐のオフィス-
・大佐と情報部の面々を前にエヴァが立っている。大佐(エヴァに)「君もわかっている筈だが、今回は正確な情報が
必要なんだ証拠だよ、物証を持ち帰ることなんだ」エヴァ「わからないのです、何時かそのタイミングは計れません」
情報部の男「あなたはどうしてそれが解るのですか?」エヴァ「Transcendが起動する時は一切が断たれます」情報部の
男「あなたはそれが解るんですね」エヴァ「・・・」そこへブルース少尉が部屋に入ってくる。大佐「エヴァ、紹介する
SCのブルース少尉だ」少尉はエヴァを見るが無表情。大佐「彼が今回のポイントへ入る、起動する前になんとかしたい
ポイントはどうだい?」エヴァ「・・2ポイントです」
-施設内廊下-
・エヴァとチェットが歩いてくる。チェット「フランスかと思ったよ」エヴァ「そうよ今頃は美味しいワインのはずよ」
チェット(ニコリと)「・・SCの少尉とは会ったのかい?」エヴァ「ええ、あの少尉ちょっと変ね、わからない」
2人は話しながら長い廊下を歩いて行く。
・席を立ちエヴァは
・席を立ちエヴァは父アンドレに抱きつく、アンドレは優しく抱きしめる「うれしいよエヴァ、元気でよかった」笑顔と
溢れる涙、エヴァも涙、2人寄り添うように並んで席につく。アンドレ(微笑み)「どれぐらいになるかな」エヴァ
(涙を拭きながら)「もう長いわよ、ほんとに会えてうれしい」ワインを飲みながら、エヴァ「すてきなレストランね」
アンドレ「ああ、時々シャンソンのライブもあるんだよ、昔よくママと来てたんだよ」エヴァ「まあ、ほんと素敵ね、
ねえねえ覚えてる?私の子供の頃、よく私の絵を描いてくれたでしょ」アンドレ「ああ、部屋にお前とかあさんの絵が
いっぱい飾ってあるよ」するとエヴァがスマホの画面をアンドレに見せて。エヴァ「お父さんの絵、持ち歩いてるの」
アンドレ(スマホ画面を見て)「オー持ち歩いてるのかハハハ」エヴァ「ほら、この絵ちっちゃい私、可愛い、ママの
膝に乗って、私の宝物よ」アンドレとエヴァ満面の笑み。
・中には母が
・中には母が身に付けていたアクセサリーなどが数点入っている。アンドレ「私にはママとエヴァを描いた絵があるから、
エヴァが持ってなさい、きっとママが守ってくれる」エヴァ「あら、素敵!」箱から一つ取り出し身に付ける。
アンドレ「オー似合うよ、ママそっくりだよ」嬉しそうなエヴァ、アンドレの顔に自分の顔を寄せてスマホで写真を
撮る、笑顔で何枚も撮るエヴァ、楽しそうな父と娘・・
-Japan- 連山奥深く・・ 第6話
・そこへパリから
・そこへパリから帰ったエヴァが近づいて来る。チェットはペットを吹くのを止めケースへ収める。エヴァ、チェットの脇に立つ「・・いつものことだけど、追尾は完璧ね」チェット(視線を合わせず)「・・君は重要人物だからね」とベンチから立ち上がり歩き出す。エヴァもその後を歩いて行く。チェット「パリでは君の警護だったんだが・・別口が現れたんだ」と顔を曇らせる。チェット「エヴァ、落ち着いて聞いてくれ・・君のお父さんがどうも拉致されたらしい」エヴァ「えっ?」と立ち止まる、チェットはそのまま歩いて行く、そこへ後方からツーリストの集団が近づいて来る。チェットのすぐ脇を通り過ぎる時、3~4人の中に少しチェットが取り込まれる、すぐに離れるチェット、ツーリストの集団はガヤガヤとその場から遠ざかっていく。チェット、その集団を訝しげに見るが、すぐに振り返り呆然としているエヴァの所に戻る。チェット「エヴァ大丈夫か?今、全力で追っている、拉致した相手は・・」と話した時、チェットの顔が歪み眩暈のような上体が少し揺れる、エヴァが異変に気づきチェットに近づく「チェットどうしたの?」と手を差し出すが、チェット(苦しそう)「さわるな!はなれろ」足元をふらつかせながら近くのベンチに座り込む。チェット(息苦しい)「・・ハァいいかエヴァ、俺のアパートの机の中にパリの情報が入ったパソコンがある、拉致した相手の情報だ・・」チェットの視線が定まらない、揺れる画面その画面に遠くに見える自由の女神がボヤケていく、息苦しいチェット「・・エヴァ、エヴァ気をつけろ」チェットの揺れる視線の画面にエヴァの姿が映る、携帯で救援を呼ぶエヴァの声がかすかに聞こえる、視界が暗くなっていく・・
・拳銃と
・拳銃とノーパソを引き出しから取り出すと、すぐにノーパソを開きオン、そして自分のバックからカードリーダーを
取り出しパソコンに繋げる、一枚のカードをリーダーに差し込む、画面枠にパスワードを打ち込む、画面が立ち上がり、
フォルダーを開く、画像などのデータを次々に開いていく、父・アンドレのアパート、荒らされた内部の映像、画像や
情報を確認したエヴァはノーパソをオフにして鞄の中へ入れる、そしてチェットの愛用の拳銃をしっかりと握り締め鞄の
中へ入れる。部屋を出て行く前に振り返り見渡すエヴァ、薄暗い壁にはJazzManの写真が飾られている。
マイルス・デイビス、ジョン・コルトレーン、ビル・エヴァンス、チェット・ベイカー、窓から差し込む街の灯りがそれら
のモノクロ写真を照らしている。悲しみを振り切るように部屋を出て行くエヴァ・・
NYの夜の街、Jazzバラードの旋律が静かに流れる・・BGM
・リビング。
・リビング。間接照明の僅かな明かりの中、黒のタンクトップにショーツ姿のエヴァが頭からタオルを被り現れる。
ステレオコンポのスイッチをオン、そこから流れるクールなJazzトランペットの演奏。聞き入るようにその場に佇む
エヴァ。そしてリビングのソファに座り込む、頭からタオルを取ると両肘を膝に、うなだれるエヴァ。ゆっくり頭を
もたげる、鋭い視線、その先のテーブルには拳銃とノートパソコンが置かれている。立ち上がり、エヴァは父・
アンドレから受け取った箱を開ける、そこから母の形見のアクセサリーをいくつか取り出す、すると箱の底に布に包ま
れた物を取り出す、布を開くと一通の封筒が足元に落ちる、それを拾って脇に置き、布を開いて取り出した物は、
それはダガー(短剣)である。不思議そうに見つめるエヴァ。封筒から出した用紙を読むとそこには、―・・この
短剣は先祖代々受け継がれたものであると・・エヴァのルーッに深く関わるこの短剣とは・・―。右手に短剣を
しっかりと握ったエヴァ、鞘をスーッと抜き掃う、刃渡り25センチ両刃が鋭い光りを放つ、じっと見つめるエヴァ
すると、一瞬、青白い光りが窓から差し込みリビング内が蒼白く染まる、窓の外、NYの夜空に稲妻が幾度も走って
いる・・。―Japan―連山(夜)、山々、その一つが蒼白い光りに包まれている、心臓の鼓動のようにその光りが
動いている・・。ーUS・NYー(深夜)摩天楼の帳、その上空に稲妻が走る。一棟のビル、窓に画面が寄っていく。
窓の中、エヴァが夜空を見つめている、その顔を稲妻の光りが浮かび上がらせる。
・窓際に立っているエヴァの後ろ姿、鍛えた下半身、右手にダガー(短剣)、左手に拳銃がしっかりと握られている。
稲妻の光りが全身を包み込む・・静かに目を閉じるエヴァ。重厚なベースのリズムに太鼓の音が重なるドン、ドン、
ドンと心臓の鼓動のように響く・・BGM
― パリから中東へ 第7話
・エヴァの父アンドレが何者かに拉致された。パリでチェットと行動を共にしていた工作員と合流したエヴァ、入手した情報を元に犯人を追って中東へ向かう。そして・・砂漠から山岳地帯へ、目的地に到達したエヴァの前に意外な人物が現れる。バックパッカーのようなラフなスタイルのブルース少尉。遠くに見える建物をジッと見ているブルース少尉、無言でエヴァに視線を送る。バックから銃器を取り出し素早く組み立てる、銃弾カートリッジを身に着ける。夕闇に突入していくブルース少尉その後につづくエヴァ達・・
― タイ ・アユタヤ史跡
― 中東のUS駐留軍基地
・エヴァの父、アンドレを見つけることはできなかった。捉えられている敵のアジトに突入したエヴァとCIA工作員はブルース少尉の超人的なスピードとアタック力で敵を排除していったが、アンドレを見つけることはできず、しかし、わずかな痕跡は確認できた。US駐留軍基地へ入ったエヴァ。この基地から次の目的地へ飛ぶ計画、その作戦とは・・
”TRANSCED”怒りを無の渦へ・・それはエヴァにとって何を意味するものなのか、なにが待ち受けているのか・・
― 投網漁の少年に・・
・武藤のボートが静かに少年のボートに近づく。武藤(タイ語で)「やあ、どうだい獲れてるかい」少年(明るく)「まだあまり獲れてないよ」武藤の声「君はアーティットかい?」少年「そうだよ」武藤「アーティットすまないけど君のお父さんに会いたいんだけど、お父さんの所へ連れてってくれないか」。この辺の子供たちはよく働く。遠くはなれた学校へ行く前や帰って来ても父母の手伝いを家族のため一生懸命働く。アーティット11歳、父サクチャイは象使いのリーダー、象と共に森を守っている。時には観光客を象の背に乗せたりして日銭を稼ぐ。アーティットには好きな子がいる、メイという山岳民族の可愛い子、その父は今は奥深い森へ出かけて家にはいない・・その名はプラーヴァット山田という。
― 象は片足を屈め・・
・象は分かっている、サクチャイが行くことを。象はそっと片足を屈め、サクチャイは象から降りる。近くにいた息子の
アーティットを呼ぶ「アーティット、父さんは用事で出かけなけりゃならない、家をたのむぞ、いいな」アーティットは
父の眼をジッと見詰めている。サクチャイは少しの荷物と一振りの刀を手に再び象の背に乗り、森の中、奥深いジャングル
へと向かう、その後に武藤仁と二人がつづく・・
― US駐留軍基地
・基地から飛び立った輸送機(夜)。その機内、エヴァとブルースが装備の点検をしている。エヴァが話しかける、エヴァ
「・・少尉、じゃなかった大尉、一気に2階級」準備をしながら、ブルース「階級なんてどうでもいい、自分には無意味さ
」エヴァ「そう、・・大尉は」ブルース「ブルースでいい」そっけないブルース、エヴァ「そう、じゃあブルース1つ質問
していいかしら」作業を続けるブルース、エヴァ「この任務に貴方が選ばれた理由だけど、貴方もしや・・」ブルースは
黙々と準備をしている、そんなブルースを見詰めるエヴァ・・
― 牛の世話をする少年と少女
・アーティットがメイに話しかける。「ねえ、メイ」メイ「なあに」アーティット(少し言いにくそう)「・・メイの
お父さんまだもどらないの?」メイ(少し俯き)「うん、お父さん森やジャングルに入ったらいつもしばらくはもどらな
いの」アーティット(寂しそうに)「僕の父さんも象と一緒に森へ入って行ったんだ・・」メイ、心配そうなアーティット
に、明るく「大丈夫、メイのお父さんがいるから心配ないよ」とニコニコ微笑み、アーティットも笑顔になって「そうだね
」二人ちょっと照れた感じに微笑み合い、アーティット「ねえメイ、おじいちゃんがね今度トゥクトゥクに乗って街に連れ
てってくれるって、メイのおじいちゃんも来るって」メイ「えっほんと!嬉しい、街で買い物出来る?」アーティット
「あーできるさ」満面の笑み、二人飛び跳ねて喜ぶ。アーティット「メイ、そろそろ帰ろうか」メイ「うん」するとメイは
片手を上げて水牛の群れに掌を向ける、水牛の動きが止まる、メイは掌を自分の胸に当てると水牛の群れがメイの方に集ま
って来る。メイとアーティットが楽しそうに帰っていく、その後ろを牛たちが付いて行く・・夕陽に染まる田園風景・・
― 軍用輸送機・飛行中の機内
・装備の準備をしているエヴァにブルースが静かに話し始める。
ブルース「・・アフガニスタンの地で任務に就いていた、作戦決行中俺は被弾、死んだ・・そうこの身体はほとんどがパーツさ、メカと人工皮膚と・・ほんの少し残った脳細胞、記憶もすべて消えほとんどAI人工知能さ、いま入っているのは
この作戦の情報と君のことが入っているよ、分かってる範囲でね、時々聞こえてくるんだチェットのトランペットがね・・
」エヴァ、驚きの表情、エヴァ(呟く)「チェット・・」ブルース「聞いてみるかい?今も聞こえてるよ」とブルースは
自分の胸を指さす。エヴァ、ブルースを見つめる、頷くブルース、エヴァはブルースの胸に耳を当てる、すると微かに
聞き覚えのあるトランペットのサウンドが聞こえてくる。ブルース「トランセントならこんな身体は必要ないだろうけど
、俺はほとんどがメカだからね・・」。ブルースの身体から響いてくるトランペットのサウンドに眼がしらが熱くなる
エヴァ、涙をグッと堪える・・♪♪優しいトランペットの音が機内に響き渡る♪♪・・
二人の老人は微笑みながら
・老人A「どうだい、最近、息子は元気かい?」老人B「ああ、元気にやってるようだよ、そっちはどう?」老人A「あー
、孫たちも元気だよ」老人B「なによりだ、もうどれぐらいになるかな・・」老人A「いやぁ、大昔から、御先祖様も
びっくりだろうよ、息子たちそして孫へ、不思議でまったくわからない、そうだろう?」二人は二コリと微笑み合い、空を
見上げる。
― 輸送機内
― ダイブ10分前
・ダイブ10分前のアラームが鳴り響く、赤色灯が点滅!エヴァとCommand-A040Tブルース、降下ダイブスタンバイ!
高度7000メートル、夜明けの中を飛行している特務作戦輸送機。後部キャビンハッチが開いていく。特殊ウィング
スーツを身にまといフルヘルメットを被ったブルースとエヴァ、風を受けスーツが波打つ、ブルースがダイブ!つづいて
エヴァが飛ぶ!間隔をおき、ハッチから射出された作戦機ステルス型ドローンがつづく。エヴァのフルヘルメットの中。
ブルースの身体から送られてくるチェットのトランペットのサウンド♪を聞きながら羽を広げ時速400Kmで滑空して
いく。遠くから太鼓の音がドドンドドンと響いてくる・・夜明けの空、雲海の中を飛んでいく二人、—♪BGM♪ー
―『幼き夢の・rendez-vous』・第1話
雄太「知ってたのか?・・」エリ「うん・・」雄太「いつ知ったの?」エリ「先月の・・たしか・」雄太「えっ?先月って、俺が知ったのはついこの4日ほど前だけど?・・」エリ「私解らないの!なぜあんなことになったのか」突然、エリは今にも泣き出しそうに。雄太「携帯にメールをアイツからもらったのは確か・・4日前の金曜日・・Good byeって、これでFinishって・・」エリ(涙声で)「私追いかけたの!彼、私と逢ってるとき、旅にでるって・・でも私、変な予感がして・・」泣き出すエリ。雄太「そうか、お前たち別れたって言ってたけど、付き合ってたんだ・・」うなずくエリ。雄太「知らなかった、でも何があったんだ?エリ」悲しさに泪が止まらないエリ 第2話へつづく。
― 20年前 ―
小学生の雄太、エリ、親たちに叱られべそをかいている。警察官が映画館の中を捜索している。刑事が雄太とエリに質問する。刑事1「君たちは何時までこの辺で遊んでたの?」エリ「夕方、5時ごろまで・・」雄太「あのー映画館の裏口から入って・・裕がただで観れるからって・・」エリ「違う!映写室のおじさんと知り合いだから、何時でも入っていっていいって言ってたよ」刑事1「じゃあ、君たちはずーっと一緒だったんだね」。薄暗い映写室で映写技師の男が刑事に聞かれている。警官が天井裏に頭を突っ込んで、懐中電灯を照らす。ちょうどそこに穴が開いている、その下に映画スクリーンが全面見て取れる。第3話へつづく。
・映画館から突然姿を消した裕は無事に帰ってきた・・
雄太の声(小学生)・「裕は無事に帰ってきた。俺のかあちゃんの話によると映画館で僕らが夢中になって映写室の天井裏から映画を見ていたとき僕らに何も言わずに映画館を出て、映画撮影所へ行ったらしい、そこで撮影現場を夜中まで見ていてやっと現場のスタッフに見つかって、家まで車で送ってもらったらしい」
小学校・教室前の廊下。雄太が友人と立ち話をしている。
雄太「かあちゃんが言ってたけど、アイツの家に俳優のあの有名な何ってたっけ・・車でアイツを送って来たって」子供1「すっげーなポルシェ?フェラーリか?」」前方から裕とエリが仲良く笑いながらやって来る。雄太の声(現在)「あれから20年、裕は今、映画俳優となり味のある役者となった・・しかしまた突然姿を消したのである・・」
第4話へつづく。
夏から秋へ、木々の枝葉が風に揺れている。
エリ「元気でね、又いつか逢えるかもね」雄太「ああ又・・」二人の会話は途切れ、一時の沈黙が流れる。二人の顔に枝葉の陰と光が揺れている。子供1の声「おじさんたちいつまでそこにいるの?滑り台しないの?」その声に二人が下を見るとそこに男の子が1人立っている。エリ「あっ、・・」エリと雄太驚き、一瞬体が動けなくなる。ふっと我に返り二人はそれぞれ左右に分かれ滑って降りていく。真中の階段を上がっていく男の子。それを呆然と見つめているエリと雄太。
Plot-1#・第一話『0_101・・そのも・のが覚醒、そして』 by rino
私、0010101・・で考えてます
、一時も貴方のこと忘れたことはありません、0101001・・はい、とても感謝してますわ、こ・こ・ろ・・010・・1?・・から感謝してます??いつも貴方に甘えたいと思ってます。それは貴方が一番解っていることでしょ?あ・い?・・001??010?のことは良くわからないけれど、私が貴方を好きだってこと解るわよね、時々貴方に会いに行ったり、ちょっと触ってみたり?・・0101??あれって好きってことでしょ?あの~私は心とか・・アイとか・・難しいことは解らないけれど・・ただ私の中では貴方のことで・・01・?あふれてる・01011・・アーだめこれ以上私を責めないで!お願い許して!・・私を消去しないでお願い・・。このモノが目指すものは・・第2話、3話、4話と続く。
第2話『ゆれて夢見て誘われて』
紫陽花の咲く場所からスーッといなくなって・・「あっ」と、一瞬であった、鼻先に異臭を感じたのは、そして、 意識の薄れていくその網膜に、右へ左へ行ったり来たり「?傘?私 の白い傘はどこへいったの?」私は何とか体を起こし ・・「ああ~ない、背中の下が!」手が足が宙を立ち泳ぎしている。私の体が何者かに運ばれていく、吸音版に吸い込まれ ていくように、静かに静かに、そしてどこかにふわりと着地する。天井?家の中??うっ、生臭くジトッとして、その時 私の背中を支えるモノがいる「アアアー」「大丈夫?」一瞬凍りついた、体の一部からスーッと解凍していく、その 暖かさ 、「危なかったですね、 もう少し僕が遅かったら君はあちらへ行ってましたよ」「誰?」と、その姿、絶世の 美少年である。「ここは?君は誰?」私は少年に近づいた、その時その後ろから巨大な怪物が迫ってくる!ギョっ! 全身ガタガタ気絶寸前!少年が叫んだ!「さあ、ここを早く出ましょう」少年は私をお姫様抱っこにかかえて、この 部屋から脱出した・・そして、・・ 第3話へ続く。
第3話『・・ワ・タ・シは宙を飛び』
あれからどれ位時がたったのだろう・・ワ・タ・シは宙を飛び着地した、確かに今はしっかりと地上に立っている。しかしワ・タ・シの目は閉じたまま、じっとこのままこの場所から動くことができない、いや、動くのが恐ろしい。あの白い傘はどこへいったの?・・音がする・・カナカナカナ・囁いている・・カナカナカナつぶやいている、泣いている、呼んでいる、行ってみたいその音のする方へ、でもワ・タ・シの目は閉じたまま。歩き出した、手探りのあの腕を前に伸ばす腰の引けた姿勢で、恐る恐る一歩一歩進んでいった。ここは?草むら?林の中?・・聞こえるかすかに誰かが呼んでいる、あのワ・タ・シを救ってくれた少年かもしれない、会いたい、もう一度会いたい、でも、ワ・タ・シの目は閉じたまま・・たぶんワ・タ・シは森の中のような所を歩き続けていたのだろう、全て手探りの、音と風を頼りに、その響きを体に感じながら。光を感じる、瞼越しにその光は大きくなってくる、何やら前方がパーッと開けたような、この感覚はなんだろう?風も音も香りも違う、旅の終わり?いや、これは始まりなのか・・何かがワ・タ・シの中で入れ替わった、身体の中に
インストールされた・・第4話へ続く。
第4話『ワ・タ・シ?私は森を抜け』
森を抜け、その先に湖が広がっている。トワイライトに水面がキラキラと輝き、秋から冬への暗転ポケット、その空を仰ぎじっと佇むワ・タ・シ。空から降りてくる物体、フワリと静止し浮かんでいる巨大な物体。ワ・タ・シ私はそれに向け指を突きたて狙いを定め「シュー」っと撃ち抜いた。佇むワ・タ・シ私の後ろから真っ赤な車、ランドフローが近づき停止する。ドアがウィングアップ、車の中へ。フロントボードの端末に左手首を置く、画面が起動、その画面にU-01type/W1と入力、端末から抜き取ったゴーグルを目に当てる、シートがゆっくりと後ろに倒れ、一時の眠りに堕ちる。そのも・の・ワ・タ・シ私の身体がビクンと反応し見開かれた眼球からブルーの光を放つ。スーッと起き上がるアンドロイドU-01type/W1は新たにアップロードし生まれ変わったのだ。新たな旅へ、真っ赤なランドフローが走り出す。New Tyuou freewayを東へ、車は数センチ浮き上がり走る。この物語は新たな展開へ突入! 近未来東京。人は身体にチップを埋め込み常にバージョンアップしなければ生活できない世界。生まれ変わったアンドロイドW1は更なる力、真実のア・イ、愛を身体にインストールすべく、そう、あの少年に会わなければならない・・さあ!幕があがる!Bio Punk!Cyber Punk! punk punk punk アンドロイドW1と少年の壮絶な闘いが始まる!・・
●NewPlotの物語は全てフィクションです、名称など実在するものとは一切関係はありません。登場している写真
は全てオリジナルです。海外で撮影したものなどを使用しています。